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三年目の作家、として
(第七、文章の量の効果について。
 文章には短いものから長いものまで様々な形態がある。例えば、小説では短編小説、長編小説、詩では俳句、短歌、などがある。では、効果において、これらの間にはどのような違いがあるか。
 まず、短いものは世界の規模が小さいか空間が不明確かで、一度に読み切ることができる。長いものは世界の規模が大きいか空間が明確か、或いは両者を兼ね備えているかで、一度に読み切ることができない。
 もちろん、一度に読み切れない短編もあろうし、読み切れる長編もあろうが、ここでは効果の違いを考え易くするためにわざと大げさに特徴付けた。
 まず気を付けたいのは、空間が不明瞭になることだけは避けなければならないということである。もし、短編で規模を大きく空間を不明瞭にするなら、それはあらすじであり、要約であり、解説である。これは文物芸術ではない。つまり、短編の場合は規模を小さく、空間を明瞭にしなければならない。
 では、残りのものについてはどうか。
 空間と規模については問題がないように思う。ただ、一度に読み切れるかどうか、ここには大きな問題が隠されている。更に考えると、一度に読み切れるほうは問題でなく、読み切れないほうが問題になる。
 と言うのも、一度に読み切れない場合、その文章の流れは読者の現実世界での生活によって分断されるからである。更に、分断が繰り返され、それが長引けば、初めのほうから忘却されて行くであろう。
 現代の生活様式では、大量の文を一度に読み切ることは、まず不可能であろう。つまり、この問題をいかに考えて行くかが大きな問題となる。
 解決策を挙げると、
 第一に、節を読み切れる程度の文量に絞り、適切な見出しを付け、後に容易に振り返られるようにすることである。
 第二に、後の展開において必要不可欠であるような重要な叙述をしないことである。
 第三に、上に述べたような重要な叙述を、記憶に留まるような効果的な表現で、しかもその数を少なく行うことである。
 第四に、世界や展開を興味深いものにし、一度に多くの文量を読み切らせることである。
 第五に、世界を興味深いものにし、何度も繰り返し読ませることによって分断を相殺することである。
 以上のように考えられる。これらの中で普遍性を持つものは第一と第二だけで、残りのものは読者の趣向の問題も絡んでくるであろう。
 だが、このような文量の効果を考慮しながら書くのはよいが、もし、そのために作文が制限されるのであるとしたら、かえって自由に書くことのほうが重要であると思われる)


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