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三年目の作家、として
 激しい雨音で目が覚めた。裸でベッドに横たわる俺の腰に、毛布がしわくちゃにずり落ちていた。
 裸のナナが窓際で空を見上げていた。雨が激しく降っていた。眩しい光が差し込んでいた。ナナの背中が美しい曲線を描いていた。
「ナナ」
「……唯則、見て……私、こんなに綺麗な天気雨、見たことない」
 俺は髪を掻き上げて身体を起こし、床に足を下ろした。やけに湿っていた。
「早く来て、早く」
 俺は窓辺に歩き、背中からナナを抱き締めた。軽く汗ばんだ肌と肌が触れ合った。抱き締めた俺の腕に、ナナがそっと手を掛けた。俺はナナの華奢な肩にそっと口付けた。唇にきめ細やかな肌が触れた。
「ね、綺麗でしょう?」
 見上げると、分厚い雲に覆われたどす黒い空の真ん中に、青々と眩しい空の穴がぽかんと開いていた。
「ああ」
 眩しい光の中、透明な大粒の雨が窓ガラスを叩き付け、激しく流れ落ちている。
「確か、あの日も……」
 青空。叩き付ける雨。青空。叩き付ける雨。青空。叩き付ける雨。
「ねえ、屋上に行こう?」
「ああ」
 裸のまま、手を繋ぎ、俺とナナは玄関のドアを開いた。傘立てにはあの日のナナの傘が立てられていた。
 裸足で階段を駆け上り、屋上のドアを開いた。



「……最高だ!」



 見渡す限り土砂降りの雨。降り注ぐ夏の日差し。耳を塞ぐ激しい雨音。湿ったコンクリートの匂い。足の裏の生温い水。



「唯則!」



 いつまでも、こうしていよう。ずっと二人で、踊っていよう。
 裸のまま、身体を濡らし、裸のまま、日を浴びて、裸のまま、手を繋ぎ、裸のまま、抱き合って、裸のまま……裸のまま……

 ナナ、ナナ、ナナ、……ナナ。


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