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MICROMANCE
「どうでもいいわけじゃないけど……なんて言うかさ、それぞれがGUUと繋がってさえいれば、お互い、それでいいわけで……『いいとも』みたいに友達の友達は自分の友達かもしれないけど、友達の親は自分の親じゃないし、子供の友達は自分の子供じゃないって言うか……んー」
 あいつは吸ってたタバコを私に手わたした。
「でも、私とBAKAは『友達』じゃないでしょー?」
「それはそうだけど……んー……あー、あれかもなー。どっちもさ、自分とGUUとの関係に誰かが入ってくるのが嫌なんだよ、きっと」
 私は受けとったタバコを吸って、はいた。
「……君たち、そーんなに私を独占したいのー?」
「はっ」
 あいつは口を開いたまま動かなくなった。
「しかたない、手をつないであげる」
 私は手を差し出した。あいつはじっと動かない。
「なあに?嫌ならいいんだよー?」
 ひっ込めようとしたら、あいつが手をのばした。触れて、握りしめた。ごつごつして、大きい手。
「繋ぎたい」
「どうぞ」
 横になった二人のあいだで交差する二本のウデ。その先で握りあう二人の手。ウデを曲げて、つないだ手を顔に近づける。絡みあった指と指。なんだか不思議。私の手じゃないみたい。そこだけ別の生き物みたい。
 指を動かしてみる。親指、人差し指、中指、薬指、小指。ちゃんと動く。でもやっぱり私の手じゃない。
「なにしてんの?」
 あ、そうか。私の、じゃなくて、二人の、なんだー。
「んーん、なんでもない。おやすみ」
 枕もとの灰皿にタバコを押しつけると、赤い光が砕けて、消えた。
「……おやすみ」
 窓からのびた青白い光が部屋を貫いてる。黒の濃淡でわかるあいつの形。肌の感触でわかるあいつの形。
「俺さ、GUUといると……」
 あいつがささやいた。
「いると?」
「いると……なんて言うか……安らぐんだよ」
 青白い天井。
「それだけ?」
「それだけ、って?」
 ぶらさがったライト。
「安らぎをあげたり、もらったり、そんなの簡単でしょ?私なんて、毎日ドキドキしたり、コゲちゃったりしてるんだよ?」
 あいつの横顔。天井を見あげてる。
「……それを言うなら、俺だって、シューってなったりバーンってなったりしてるよ」
「きゃー」
 あいつの胸に抱きついた。かたい胸。かたいウデ。かたいあいつが私をぎゅっと抱きしめる。


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