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MICROMANCE
 KIDOくんは今日も青白い顔で、クーラーボックスを肩にかけたまま落ち着かない様子でタバコをふかしてる。そう言えば、KIDOくんがこのメンバーと顔をあわせるのははじめて。
「KIDOくん、げんきー?」
「元気です、ははは」
 KIDOくんが頭をかいて笑った。MANABUさんが振り返った。
「やーっぱり君がKIDO君だったんだー。言ってくれればいいのに」
「ははは」
 KIDOくんがいつまでも笑ってばかりだから、私が紹介する。
「みなさん、こちら、写真家のKIDOくん。KIDOくん、この人がMIKAちゃん。この人がMIKAちゃんの彼のMONKEY。それでこの人が……」
 KIDOくんは紹介されるたびに伏目がちに口だけ笑わせて「はじめまして」とあいさつした。
 MONKEYが聞いた。
「写真って、どんな雑誌に載ってんの?」
 KIDOくんははにかんで、顔のまえで手を振った。
「あ、いや、まだぜんぜんそんなんじゃないんです。ただ目指してるってだけで、はは……あ、SATOさん、来ました」
 交差点にあいつが見えた。肩に私のショルダーバッグをかけて、両ウデにいっぱいつまった買い物袋をぶらさげてる。
 あいつは顔をひきつらせて坂をのぼってくる。エメラルドグリーンの自転車。キキキ。ブレーキの音。
「大変、お待たせ、し、ま、し、た」
 あいつは自転車から降りるなり私をにらんだ。そしてすぐにムシした。MIKAちゃんが言った。
「SATOちゃん、君たち二人はケンカ中なんだってー?」
「違う違う、こいつが一人で勝手に怒ってんだよ」
 私はあいつをにらんだ。あいつはムシしてる。
「こーいつ、なーんにも準備してかないから、俺が食べものから敷物から、ぜーんぶもって来るはめになってさー。おまけにALに朝メシやるのまで忘れて、あームカツク」
 AKIさんが少し怒ったような声で言った。
「SATOSHIくん、YASUKOちゃん、来るとき転んでケガしたんだよー?」
 あいつは横目で私を見た。
「なあにー?」
 にらんだらまたムシされた。MANABUさんが笑って言った。
「SATOSHIくん、とりあえず行こうか」
「ああ、そうだね」
 あいつを先頭に、私たち一行は公園に移動しはじめた。男たちが先を歩き、少し離れて私たち。さっきのぼってきた坂をくだる。
 歩きながらMIKAちゃんが話した。
「ケンカといえば、私もこのあいだMONKEYとケンカしたよー」
「またー?」
 AKIさんがのぞき込んだ。
「今度はどうしたのー?」


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