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MICROMANCE
「あのねー、このまえ、仕事が早く終わった夜にー、MONKEYの好きそおーなアイスと、私の好きーなアイスを一生けーんめい選んで、買って帰ったの。それでー、うちに着いたらMONKEYがもう帰ってて、私が『アイス買ってきたよー、食べるー?』って聞いたら、MONKEYは『ああ』ってその日のうちに食べたんだけど、私はあとのお楽しみにして自分の分は食べないでとっておいたの。そーれが!次の日、冷蔵庫を開けたら私のアイスがなくって、『ちょっとMONKEY、私のアイスしらない!』って聞いたら、あっさり『ああ、あれなら食べたよ』だあーってー!」
 私とAKIさんは一緒にさけんだ。
「ひーどーい!」
 交差点で信号待ち。MIKAちゃんが続ける。
「でもー、その時はちょうど友達が来てたから、キイーってなっちゃいけないーって思って『ふうーん』ってなーんともない振りしたんだけど、次の日、MONKEYに『あんた、私のアイスを食べるなんてひどいじゃない!ガミガミ』って怒ったら『なんで今頃そんなこと言ってんの?』ってプイッとして、そのあとは私がなーにを言ってもムシするの」
「BAKAもそうだよー。黙り込んだらもうダメー」
 あいつとMONKEYの笑い声。MANABUさんの声。信号が青に変わり、私たち一行は横断歩道をわたる。
 AKIさんが聞いた。
「そのまえのケンカって、どうしたんだっけー?」
「そのまえはー、仕事が終わってー、私がMONKEYに、その日あった、あーんな出来事や、こーんな出来事を、一生けーんめいに話してるのに、MONKEYは返事もしないから『ねえ、ちょっと聞いてるの!』って言ったら『なに言ってるか全然わかんないよ』ってプイってして、私がキイーってなったの」
「MIKAちゃんのキイーってなってる姿、めっちゃめちゃ想像できるー」
 横断歩道をわたって右に曲がる。公園からのびてる桜の屋根。近づく。ほんとだ。ぼたん雪が時間を忘れて空に留まってるみたい。
「そう言えば、AKIさんたちは仲直りしたのー?」
「……」
 まだ、みたい。
 まえを行く男たち一行。KIDOくんだけ少し遅れて歩いてる。MIKAちゃんが聞いた。
「KIDOくん、はー、あんまりしゃべらない人なのー?」
「うーん……そうかもー。酔うとめちゃめちゃおしゃべりなんだけど……ねー!KIDOくーん!」
 KIDOくんは首だけ振り返った。私が「ちょっと」と手招きすると、KIDOくんは立ちどまって私たちを待って、声に出さずに「何ですか?」の顔をした。
 MIKAちゃんが聞いた。
「KIDOくん、はー、どんな、写真、撮る人なのー?」


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