『MICROMANCE』
離れて見てた男の子は、なにも言わずにあいだに入り、山をなおしはじめた。二人は一瞬男の子を見て、黙って一緒に砂をかき集めだした。
あいつはついに力を失って、ごろんと仰向けに寝転んだ。目を閉じて、だんだん口が開いていって、眠りに落ちてく様子がよくわかる。KIDOくんは砂場の子供たちを見つめてる。MIKAちゃんはタバコを吸いながら、ぼんやり桜を見あげてる。MONKEYとMANABUさんは静かに話し続けてる。AKIさんはお酒を手にして、じっと私の目を見てる。
「果たして題名は必要か」
あいつの寝言がかすれた。AKIさんはじっと私を見つめたまま動かない。私は口の形で話しかける。
すべては満足するか、しないか、ただそれだけなの……
ふわっとAKIさんの目から涙がこぼれた。逆光に包まれた姿。私ははっと気がついた。桜がまっ赤に染まってた。
目のまえいっぱいにたれさがったまっ赤な花びら。すきまで瞬くまっ赤な夕日。私は少しがっかりした。AKIさんはきっと気づいてた。
朝がきて、夜がきて、朝がきて……壊れる。
おばあちゃん、私、なんとなくわかったみたい。笑いや幸せは、手のなかのものをすべて投げ出すことなんだって。そういう意味だったんでしょ?
「どうして人にはそんな悲しい能力が備わっているの?」
だから、私はこれからも書くの。
ウソで、ほんと。他人事で、自分のこと。なんとなく楽しくて、なんとなく切ない。そんなところを、書くの。
MICROMANCE
それは赤くて、白くて、緑色。広くて、不安で、心地いい。なくしたときにあらわれる、突然消えて残るもの。
ごめんね、ごめんね、ごめんね、抱いてて、抱いてて、抱いてて、嫌い、嫌い、嫌い、助けて、助けて、助けて、青い、青い、青い、飛んでる、飛んでる、飛んでる、行かないで、行かないで、行かないで、どこにも……お願い……
さようなら。私のお話はもうおしまい。私はこれからタバコを吸うの。
まっ赤なソファーに寝転びながら、ALのあくびに「あー」と言い、窓のそとに流れ出す、タバコの煙を目で追って、空になんとなくつぶやくの。
「もう、夏かなあ」
大きく開いたパキラの葉っぱ。転がるカエルのボールペン。白い冷蔵庫の扉を開いて、あいつはきっとこう言うの。
「夏、かもしれないなー」
Special thanks to
YOU-KO SAN
DAI SAN
SAITOH SAN
CURTIS
MIKA CHAN
MONKEY
CHARA
IKUTAROU NISHIDA
Jean-Luc Godard
Georg Wilhelm Frederich Hegel
and me, myself
BBSに感想を書く
著者へメール
寄付
back
Warning: require() [function.require]: URL file-access is disabled in the server configuration in /virtual/logos/public_html/www.logos-web.net/hp/d/l/kid/m/63.html on line 121
Warning: require(http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.php) [function.require]: failed to open stream: no suitable wrapper could be found in /virtual/logos/public_html/www.logos-web.net/hp/d/l/kid/m/63.html on line 121
Fatal error: require() [function.require]: Failed opening required 'http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.php' (include_path='.:/usr/local/lib/php') in /virtual/logos/public_html/www.logos-web.net/hp/d/l/kid/m/63.html on line 121