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完結した夏
 5(近)

 目を覚ましたのは夜のことだった。両脇に開け放たれたカーテンの間に、堂々と星空が広がっていた。窓枠の右上には一際白いもやがあり、月のありかが伺えた。
 文香はその淡い月明かりを浴びて、隣でうつ伏せに眠っている。向こうに向いた頭から、手前に黒髪が広がっている。俺は身を乗り出して、文香の寝顔を眺めた。
 顔を覆う髪。その隙間に覗く文香の唇が、少しめくれている。月明かりをかすかに反射して、艶やかで瑞々しい。耳を近づけるとかすかな寝息がくすぐる。口の前で軽く握られている小さな手。その腕、尖った肘、肩。俺の腿に乗せられたもう片方の手。脇腹の曲線。尻の柔らかな膨らみ。交差した艶やかな脚。
 何て美しい。
 俺は文香の背中を微妙に愛撫した。きめ細やかな肌。滑らかな凹凸。背中から脇腹へ、脇腹から腰へ、尻へ愛撫を進める。そして腿の内側へ。
 次第に文香の身体は反応を示し、湿り気を帯び、背中の筋肉が隆起し、陥没した。寝息が一瞬、高まった。
 俺はタバコに手を伸ばし、その先端に火を馴染ませた。そして横たわった。
 煙を吸い込むと同時に文香の髪をわしづかみにし、高々と引っ張り上げた。文香の首が人形のように曲がった。吐き出した煙が月明かりの中を突き抜けて、薄れた。
「あ、あう、ああ……」
 アザラシの曲芸のように反り返る文香の姿は美しかった。目を閉じたまま開き切っている文香の口に、ゆっくりタバコを吸わせた。タバコの光が闇に際立ち、反り返った身体の先端から煙がゆっくり棚引いた。
「起きろ」
 くぼんだ文香の鎖骨の下で、小振りな胸が揺れている。青白いシーツを背景に、尖った胸の先端が陰になって揺れている。
「またがれ」
 文香は反り返ったまま片脚を上げ、俺の腰に乗せかけた。タバコを吸うと、オレンジ色の光が文香の胸もとを照らした。開き切った文香の口から唾液が伸び、俺の胸に滴った。
 俺はタバコを揉み消した。文香は完全にまたがり、深く腰を沈めた。文香の首を解放すると、長い髪は振り子のように落下して、パラパラと文香の顔を打った。俺は胸の唾液を両手ですくい、まんべんなく口にした。味はしなかった。
 文香は激しく腰を前後させ、恥骨と恥骨が擦れ合う。ベッドがきしみ、浮き沈み、合わせた腰が潤滑して行く。
 ギシ、ギシ、コツ、コツ……ギシ、ギシ、コツ、コツ……
 文香がうめく。文香が髪を振り乱す。文香がのけ反る。のけ反りながら前後する。俺は真っ直ぐ手を伸ばし、文香の乳房をわしづかむ。文香が大きくうめきを上げる。俺は握る手に力を込める。文香の腰が激しく動く。俺は文香の乳首をひねる。文香の乳首をひねり潰す。文香の股間に手を差し入れる。


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