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完結した夏
 見上げると、暮れ残る藍色の空に、ぼんやりと月が紛れていた。そして、いくつか星があって、金星があった。後頭部から虫たちの求愛の声がこだまして、それでも、自分がこの空を前ではなく、上であるとしか感じられないことを悲しく思った。
 空は空……地は地……大地は回転し、俺も回転する……つまり俺は今大地の中心点……そして太陽の、宇宙の、あるいは精神の地動説を唱え……「みいちゃん」
 我に帰った。周囲の電灯が込み上げるように点灯した。「……ん?」
 見ると、俺を映す陽子の瞳が、はっきりと潤んでいた。
「……今日、泊まっていって?」
 しばらく見つめ合った。
 陽子の瞳の持つ、熱く甘い空気が俺の身体に伝わり、包み込む。そして、共鳴した俺の身体からも、陽炎のように揺らめく熱く甘い空気が流れ出し、溶け合い、二人の間の空間を隙間なく満たして行く。
 俺は陽子の肩をそっと抱き起こした。陽子の唇が艶やかに濡れていた。陽子の後ろ頭を愛しく愛撫すると、陽子がこらえ切れなくなったかのように俺の首に腕を廻した。
 そして、完全に溶け合った。
 柔らかく濡れた唇と唇とを貪るように求め合った。熱くどろどろとした舌と舌とを貪るように絡ませ合った。これ以上接近できないことを絶望するかのように、きつく抱き締め合った。
 頭を入れ替え、身体を入れ替え、息を荒げ、陽子が俺の膝にまたがり、俺は陽子の腰を、尻を、陰部を、切ないくらいに愛撫した。
 陽子が息を漏らした。「はやく……欲しい……欲しいよ……」
 タクシーを拾い、エレベーターを上りながら、二人は互いに貪り合った。ドアを開け、求めながらしなだれる陽子を抱えてベッドルームに飛び込んだ。
 乱れたシーツの上に倒れ込み、唇を貪り合い、二人は互いのボタンをもどかしく外して行く。露になって行く俺の胸を陽子の頭が這い下りて行く。陽子の両手が俺のズボンを下着ごと引きずり下ろし、這い下り、そして、熱く、くわえた。
 俺は声を上げた。
 強烈な快感を突き上げて、俺の腰でうごめく陽子の頭、うごめく露な細い肩。熱くぬるっとした感覚が、俺の陰茎を包み込み、回転し、上下する。全身が脈打つほどの快感。
 俺は声を上げた。
 陽子は俺の陰茎をくわえたまま、自分の身体を半回転させた。俺が手を伸ばし、陽子のズボンと下着を下ろすと、そのまま顔にまたがった。俺は陽子の股間に貪りついた。すでに濡れ切っていた陰部を舌全体で上下した。吸い込んだ。
 陽子がくわえたままうめいた。
 陽子の陰部を貪りながら身体を愛撫した。陽子は激しく貪りながら片手で俺の身体を愛撫した。うめき合う二人の声は湿り気を帯び、シーツは濡れて肌に貼りつく。
 やがて、横たわった陽子と向き合い、べたべたと肌を密着させて、ドロドロした唇を貪りながら、徐々に、ゆっくり、挿入した。


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