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完結した夏
 俺は立ち上がった。左腕の熱い液体が指先に伝い滴った。右拳に走る激痛を強く握り締めて味わった。そしてゆっくりと近寄った。
 ベッドはスポンジのように、たっぷりと血を吸って真っ赤に染まり、底辺からは吸い切れない血がポタポタと滴っている。床には表面に脱脂粉乳のような膜を張ったどす黒い血が広がり、ベッドから滴り落ちる血がその膜に鈍い波紋を立てている。山型に染まったカーテンはまだらに赤く発光し、その赤光に照らされた壁や天井には激しい血飛沫が飛び散っている。そして、その赤い光景の中心点で、文香は……
「くっ……」
 どす黒く染まった裸体……巻きついたアザを切り取るように、何度も何度もえぐられた左腕……そこから飛び出す肉のわた……あごのつけ根にパックリ開いた深い裂け目……血でドロドロの髪……微笑んでいるかのように膨らんだ頬……宙に見開いたままの眼球……そして……俺は深く目を閉じた。
 ……血肉にまみれたサバイバルナイフをしっかり握る文香の右手……
 俺は血に染まった五本の指を一本一本剥がして行った。かすかにビリッと音を立てながら……親指……人差し指……中指……薬指……そして……
「ううっ……」開かれた文香の赤い手のひらに、ナイフの柄が赤く横たわっている……
 俺はナイフを投げ捨てて、文香の身体に覆い被さった。血まみれの乳房を両手でつかみ、血まみれの乳首を舌で転がした。血まみれの唇に口づけ、弾力を吸い込み、血まみれの耳殻を噛んだ。
 文香の微笑んでいるような頬……スッとした鼻筋……上向いたまつ毛……乾いた眼球……動かない、よどんだ眼球……そこにかすかに俺が映り……そして深く挿入した。
 首筋の深い裂け目が開閉し、あごがつけ根から上下した。血まみれの両脚を割り、押し広げ、さらに深く前後した。開かれた文香の脚のV字の向こうで、文香の上半身が血まみれで揺れている。陰茎を抜き、口に突っ込み、激しく腰を前後させると、前歯がゴリゴリと亀頭を剥いた。右手を取り、握らせると、冷えた感触が皮膚に苦しかった。


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