LOGOS for web

完結した夏
 俺は再び膣に挿入した。ガサガサの感触だったが、やはりここが一番だった。俺は激しく前後した。前後して、前後して、前後した。文香の頭が激しく前後した。文香の黒目が首ごと前後した。文香の白目がちらつきながら前後した。
 そして前後した。
 亀頭のつけ根にかゆみのような快感が走り、俺は文香の瞳を凝視した。文香の瞳が宙に揺れ、そして、子宮に強く、射精した。
 俺の腰が脈打って、文香の膣が潤った。
 それでも文香は死体だった。人形ではなく、死体だった。心臓は拍せず、血は流れず、土色にくすむ死体だった。髪をわしづかみにして引っ張れば、その通りに首の傾く死体だった。深く切り刻んだ裂け目からもくもくと肉わたがはみ出すような、皮膚が中身を抑え切れない死体だった。
 俺は膣から陰茎を引き抜いた。文香から俺を引き抜いた。膣から精液が流れ出た。文香から俺が流れ出た。文香の両目をそっと閉じた。死体の両目をそっと閉じた。そして隣に寄り添い、タバコを吸った。死体に寄り添い、タバコを吸った。
 他に、何もなかった。
 血染めのカーテンを開け、空を見ると、赤紫の上に紺があった。そして雲が流れていた。文香の身体に光が差し、その鮮やかな色彩に嘔吐した。そしてタバコを吸った。
 それは一週間後も同じだった。ただ、文香の身体がボロボロと崩れ始めているのが違うだけだった。不快な杏子の臭いがあり、夜空に雲は素早く流れ、自転車の警官が見上げながら通過した。隣家の明かりが目の奥に差し、車が何台も騒音を上げた。添い寝する俺の胸には文香の頭があり、しかしその髪を引っ張ることはできなかった。バサバサと抜け落ちるのが怖かった。
 そして……そして……そして……


39(遠)-1へ
BBSに感想を書く
著者へメール
寄付
back