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冷やされる少女
 4

 みるみるうちに消えていった。それもあれもこれも、色褪せて、すっかり思い出せなくなった。色々な徒労も費やした。まるで嘘のように。ウソ?……そうウソっぱちだ。闇雲にあがきまわって、それで、闇だったから動くのをやめたのだ。闇……そう闇だ。それもウソっぱちの光が現われては消えるやっかいな闇だ。僕はたしかに光の方へと歩いていたのに、それが……結局は「合理的」に動かないことにしたのだ。まったく狂っているとしか思えないこの怠惰な合理という奴は、僕をまったく無気力な無駄のない人間へと「進化」させた。進化した人間は、内心ヒヤヒヤしながらも、見下すような態度で公然とウソの証言をする。それから次第に、そのことが、実際は内部をむしばんでいるので、完全なウソのかたまりになってしまう。ウソのかたまりはあまりに肌が敏感すぎるので、ちょっと触れただけでも過剰に反応してヒステリーを起こしてしまう。



 5

『県境の長いトンネルを抜けると町だった。それも巨大な。夜の底が星空になった。また、陸橋の下では、車のヘッドライトが次々に夜の底を切り裂いていた。地下のホームに新幹線が停まった』


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