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とにかく書き始めるんだ
どうやら僕は黙りすぎたらしい、もっと軽率にぺらぺらと喋るべきだったのだ。ボディビルダーの体が美しい?そんなはずはない。美は必然の運動のなかで培われた極めて無駄のない形態にこそ宿る、いやそれは間違いだ。いつの頃からか毛の柔らかなブラシを前にして、僕はそのなかにいることに気付く。お父さん、ありがとうございました。僕はこんなに立派になり、お母さん、僕はこんなに男らしい優しさを身につけました。それがあなたたちの望んだ姿でないにしても。見てください、この勇姿。フランス仕込みの日本語と、アジア仕込みの金髪で、僕はもうタジタジです。金魚、あの金魚が見えますか?愛、覚えていますか?思想もジョークも芸術ではないけれど、僕はそれをあえて避けるべきだったのです。もう敬語はやめましょう、そろそろ。いつまでもこんな口調では、美がその足の裏だけを僕に見せて、僕はそれを腰のくぼみだと勘違いしてしまう。勘違い、それこそが大切なのです。僕は今、自分のなかから勢い、いや、言葉の流れる川の涸れるのを見ました。それはとても寂しいものです。だがそれでいいのです。ああまた敬語だ。とにかく暗闇のなかにふと、女の柔らかな羽根つきの衿のセーターを見たら飛び上がらなければならない。まあいいじゃないか、だんだん自責の流れになってきた。これを乗り越えたところには、再び自己肯定が始まるのだろうか?いや、分析などするんじゃない。特に行動主義は禁物だ。以前は人間は決して知り得ないガラス玉である、という奇蹟的な少年の勉強机の引き出しだった。少年は蟋蟀の死骸を夜毎取り出しては眺めていた。その干乾びた腹には、もはや針のような足が一本残っているだけだった。別に食べたわけではない。左手の薬指がまず力を失ってくる。いい前兆か?明日の仕事にひびきそうだ、実際はそんなことを考えたことなど一度もないのに。今まで一度も。僕は過去を振り返ることをしなかった代わりに、未来を考えることもなかったように思う。いや、そんなことはない、なぜなら今をも考えていないので、僕は何も考えていないことになる。……


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