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金魚
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 出会ってから彼女は、10キロくらい痩せたと思う。腰の辺りが異常に細くて、折れそうというか、もう、折れているんじゃないかと心配になって、腰が痛くないか聞いてみるが、「痛くたって、全然オーライでしょ!」なんて答えが返ってきて、私はすぐに違うことを考え始める。「昨日40錠も飲んだのに、なんだよ、このビタミン剤、ちっとも肌荒れなおんねーよ!」近所のラーメン屋に電話することがある。変えたシャンプーが、髪に合わくてイライラした時も、「サラサラつやつやになりますなんて、嘘つくんじゃないよ。パサパサぼさぼさになったよ、どーしてくれんの?」つい最近も電話した。文句がある時は全部そのラーメン屋に言う事に、ミカも私も賛成だ。いちいち、違う所に電話するのは、面倒だからだ。
 私達は、ガラスでできた小さな球体の中で生きている時がある。球体の底には、透明で砂のようなつぶつぶたちが敷き詰められていて、私とミカはその上に座っている。このガラスの球体は、プカプカどこに浮かんでいるのか、わからない。時々、丸い底から、青い炎がやって来てつぶつぶたちを更に透明な液体に変え、気化してできた白い煙は、渦を巻くように、丸い空間全体をぐるぐる旋回する。いつかミカと、透き通る液体は海で、白い煙は、コマ送りみたいに物凄いスピードで変化してゆく雲の流れで、こんな素敵な風景が創り出すきれいな空気を吸いまくっているから、私達ってこんなにかわいいんじゃない?ここって、プチアース!!なんて、バカなことを言って笑った。ミカと創ったこの世界は、ある部分は本物だから、私は、球体に存在しているけれど、ある部分はfakeだって知っている。けどミカが、このガラスの世界がrealだし、全てだって言ってる以上は、何か言う必要なんてない。


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