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どこから来てどこへ行くのか、いやつまらない
 分析よ、思想よ、サヨナラ!まるで見たこともないような素朴な色の青空に浮かぶ小さな小さな飛行機の影に向かって次々に発せられる言葉とそれを聞き流す耳。なるべく小さな器に盛られた大粒のざくろ。その実の一粒一粒を潰していく快感に打ちのめされた僕は、いつしか背中から囚われの身となって、宇宙のごとく黒く輝くだろう。見違えたなあ、誰かが言った。男の声だろうか?それも中年の、少し太めで浅黒い肌の男だ。白いスラックスと白いゴルフキャップのようなものを被っている。つまり僕のなかの極度に象徴化されて歪んだ加山雄三に他ならないだろう。その笑顔になるにはどうすればいい?いや、彼ではなく彼だ。もはや説明する余裕のない密度で迫り来る言葉の渦のなかからこの左右五本の指を解放していく作業は、まるでそれとは正反対のことに集中しているかのようである。見た目にも美しい。時々古い型の赤いスポーツカーの助手席のドアを開けて、そのなかに乗り込もうとする目の離れた父親である僕とその関係者は、クリーム色の本革のシートに摩擦して、小気味よい音を立てる。やや間があって、すぐさま話しかける、来い、濃い、恋!それは冗談だが、……サヨナラ、冗談!見るほどにドライな……今日はダメだ。


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