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こんなものを書き続けて何になる?
 さて、全ては終わりに近付いていた。なぜなら全てを覆い隠していた夜が、もはや堪え切れなくなって告白めいてきたからだ。その告白は地上にいる全ての頭のうえに降りかかるだろう。道なき道を転げ落ちる一つのいびつなオレンジと、石畳の道を悠々と歩いて下る青年のあいだに、一本の鋭い稲妻が落ちる。彼は一体何を見ただろう?道端にある水桶は波紋をいつまでも波立てている。それは限りない真円だ。月は見るからに痩せ細り、いまだに太陽を待ち侘びている。だが無情にも、太陽はそんなことを少しも気に掛けてはいない。彼は無頓着さの塊であって、それを燃やして生きている。大きな瑪瑙石の柱が今にも倒れかかってくる。きらきらと輝きながら。レオナルドダヴィンチの描いた夢は、夢のまま終わる。また、ノーベルの作った世界貢献の代名詞であるあの賞が、ベトナムの空を焼き、ロシアの炭鉱を削り取る。その巨大な人造のクレーターは、カルデラの存在を見違えるほど陳腐にした。動物実験のラットは檻のなかで鼻をひくつかせながら餌を待っている。もしかしたらエロスは存在しないかもしれないなどと今は思えないが、ジキルとハイドを読みたいと突然思っても、決して読みはしないだろう。軒に干された百枚のブラジャーが風に揺れる。目を遣ると、町の窓という窓にはブラジャーが干されているではないか!こんな異常な町に住む僕は、何という興醒めな真珠貝だろう!腿にタバコの焼け焦げのあるズボンを履きながら、ポマードで髪を固めて、さて行くところは町の穴だ。暗く、深く、狭く……それでいて湿った、生暖かい、息の詰まるほど甘い世界、そのなかにあの団栗が落ちている。


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